株式会社光建

特殊事業解説

1. 超音波振動注入工法

概要

薬液注入工法の一つで地中に設置した注入管を通して注入剤(薬液)を地盤に流し込み浸透させ、地盤を改良する工法です。

注入剤により土の粒子に含まれる水が追い出されて固まるため、止水や地盤の強化を目的に行われます。

この薬液注入工法に用いる注入剤に、超音波振動を加えることで注入剤が素早く、細く振動します。この現象を利用すると、注入剤を浸透させる時に微細な土の粒子が詰まるのを抑制できます。

注入剤に含まれる気泡が破壊されるときの圧力で、より注入剤の浸透が促進されます。超音波振動注入工法は従来の薬液注入工法と比べて、よりきめ細かく広範囲に注入剤を浸透させることができます。

協会・開発者

企画:名古屋工業大学高度防災工学センター客員教授 野口好夫

超音波振動装置:本多電子(株)

薬液注入工事会社:三信建設工業(株)、東興ジオテック(株)

2. インシチュフォーム*工法

概要

管路の修復を目的に行われる、更生工法の一つです

インシチュフォーム工法とは、既存の管路や水路の内側に、熱を加えると硬化する樹脂を染みこませたライナーバックを水圧によって挿入し、管内の水を加熱してライナーバッグを加熱硬化させ、既存の管内に新たな管路を形成する工法です。

耐薬品性の熱硬化性樹脂を使用するため、きわめて耐久性・耐食性に優れており管路の寿命を飛躍的に向上させることができます。硬化した樹脂は継ぎ目のない管を形成するため下水・上水、農水・工業用水などあらゆる流体に適応させることができます。

*『インシチュフォーム(Insituform)』とはラテン語の「In-situ」(意味:本来の場所で、元の場所に)と「form」(意味:形成する)を合わせた「元の場所で形成する」という意味の造語です。

協会・開発者

協会名:日本インシチュフォーム協会

会長:日鉄パイプライン&エンジニアリング(株)

3. FFT-S工法

概要

管路の修復を目的に行われる、更生工法の一つです。 既存の管路の内側に硬化性樹脂を染みこませた材料を引込み、蒸気で硬化させることで強度がある平滑なFRP(繊維で強化したプラスチック)パイプを形成し、管路を再生する工法です。

硬化性樹脂を染みこませた材料を引き込む際に、材料を積んだ施工車両からホースを引いて管内まで通すためマンホールと車両が離れていても工事を行うことができます。また、車両が通れないような狭いスペースでも可能です。

協会・開発者

協会名:FFT工法協会

開発メーカー:タキロン

4. T&C防食工法

概要

コンクリートに2種類の浸透剤を塗ることでスケーリング*1を抑制する工法です。

2種類の浸透剤は珪酸化合物を主成分とするA液『クリスタルストーン』*2とシリコンを主成分とするB液『テリオスコート』*3から構成されます。

T&C防食工法では、まずクリスタルストーンシリーズを塗ることによりコンクリート表層部の微細な隙間を埋めて表層部のコンクリート組成を緻密化します。次にテリオスコートを塗ることにより防水剤が基材内部に浸透し、コンクリート表層部に耐久性のある吸水防止層を形成します。

T&C防食工法によって保護されたコンクリート表面は硬度が向上するだけでなく、無処理のコンクリート表面と比較して24時間後の吸水量が1/5以下になり、吸水抑制効果の向上も見られます。

この工法で用いる材料に含まれる重金属類は有害な物質を溶出しません。また、施工した後もコンクリート構造物の持つ外観に大きな変化を与えません。

『クリスタルストーンシリーズ』は無機質の材料であり、これを使用して改質した層は紫外線による変色がありません。また浸透性のため、素材の膨れや剥がれの心配もなく、美観を損なうこともありません。

コンクリートは元々アルカリ成分を持っていますが、水や空気中の炭酸ガスの影響で中性化します。そこへ珪酸アルカリ溶液であるクリスタルストーンを塗布することにより中性化の進んだ素材を再アルカリ化し、コンクリートをリフレッシュすることができます。

『テリオスコートシリーズ』もクリスタルストーンシリーズと同様に無機質のコーティング材料です。完全に硬化した被膜も無機質以外の物質を含みません。人体に影響のない安定したコーティングが可能です。

テリオスコートシリーズによるコーティングは鉛筆硬度で例えると2Hに相当する高い硬度です。拭き傷も付きにくいため、コーティング後はスプレーによる落書きも簡単に消すことができるなど洗浄回復性に優れています。

*1 スケーリングとは、コンクリートに含まれる水分が凍結と融解を繰り返すことで起こる表面剥離現象です。

*2クリスタルストーンシリーズはコンクリート構造物の耐久性向上を目的に使用される珪酸アルカリ水溶液です。コンクリート等に対し表面塗布することで素材の隙間を埋め、材質を改善します。素材の表層が安定した緻密な保護層となることで表面硬度を向上させ、水分・塩分・酸性雨・薬品等が染みこむことによる素材の劣化を防ぐことが出来ます。

*3テリオスコートNP-360シリーズは無機100%の塗料です。コンクリート、モルタル、スレート、金属、木材などの素材に塗ると常温でホーロー被膜を形成します。テリオスコートシリーズの材料によるコーティングはガラスや石と同様に紫外線に強く、また不燃性であるため素材の耐久性を高めます。

協会・開発者

協会名:日本インシチュフォーム協会

会長:日鉄パイプライン&エンジニアリング(株)

5. リフリート工法

概要

鉄筋コンクリート構造物の劣化防止、耐久性向上を目的とした改修工法です。

「化学的改修」と「物理的改修」の改修方法によって構成されており、劣化原因ごとにより効果的な仕様を選んで改修します。

RF仕様:中性化劣化および一般的な経年劣化に対する改修仕様
浸透性アルカリ性付与剤(浸透させたものにアルカリ性を与える材料)を使用し劣化した素材の表面を強化する『化学的改修』をした上で専用のペースト状材料やモルタル等で覆い、素材に水や炭酸ガスが侵入するのを防ぐ『物理的改修』を行います。
DS仕様:塩害劣化に対する改修仕様
RF仕様と同じ浸透性アルカリ性付与剤を使用した表面強化に加えて、塩害により腐食した鉄筋への防サビのための専用材料をコンクリート中に拡散・浸透させる『化学的改修』をします。また、RF仕様と同様の『物理的改修』を行います。
DS-HG仕様 : 内部鉄筋の防錆・予防保全に対する改修仕様
防サビの専用材料を鉄筋やコンクリートの表面に塗り、またペースト状の防サビ材料で覆うことで科学的改修・物理的改修の両方を行います。コンクリート中に防サビ成分を効果的に拡散させて鉄筋表面に緻密な被膜を作り、鉄筋の腐食を抑止します。

リフリート工法で使用する材料のポリマーセメントモルタルは強度や弾性などの性質がコンクリートに類似しており、耐久性、防水性、長期接着性、耐摩耗性、耐衝撃性に優れています。

協会・開発者

協会名:リフリート工業会

開発:太平洋マテリアル(株)

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